旦那が救急搬送されて不安しかない妻のブログ

夫が無事回復したら見せるための備忘録です 改、日々の心情を綴ります

2021年3月9日

夫が大好きだった観音菩薩様に会いに行ってきた。
「一番穏やかで優しい顔をしていて落ち着く」
そう言っていた。

明日は次男の公立高校入試で大切な日だというのに、今朝は朝から親子喧嘩をして送り出してしまった。

夫が倒れた前日の夕方に「いってらっしゃい」と穏やかに送り出せた。
夫婦喧嘩もそこそこある夫婦だったけど、喧嘩したままの状態じゃなくて本当によかったとあの日思ったのに。
息子と喧嘩したまま送り出してしまいとても後悔した。

この数日、また心が乱れていて安定しない。
不安もイライラも積もっていて、何をしても穏やかな気持ちになれずにいた。
それが息子の一言に噴出してしまった。
そんな自分にまた塞ぎそうになったけど、ふと思い立った。

「あの観音菩薩様に会いに行こう」



奈良県にある長谷寺の十一面観世音菩薩に会いに行く。


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長い登廊を一歩一歩踏みしめながら歩いた。
夫のことを想いながら、今朝の息子とのやり取りを想いながら。

夫婦でたくさんの神社仏閣を回ったけど、夫が一番好きだと言ってた長谷寺
私もこの登廊が大好きだ。
この登廊を登り切ったら本堂がある。
本堂は舞台造りになっていて、普段は内舞台から観音菩薩様の胸から上を拝観できる。
もう何年前になるのか、初めて来たときは雪が降りだしてとても厳かな雰囲気だったな。

今回は夫が「いつかは」と言っていた特別拝観の期間にあたっていて、本堂の中・十一面観世音菩薩様の足元まで行くことができた。
「一人で来てごめんね」
そう思いながら十一面観世音菩薩様の足元にかしづき、足を撫でながら夫の回復を願う。
見上げたそのお顔は遠くを見ているようで、それでいて微笑んでいるようで、穏やかだった。


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帰宅して息子に「今朝は言い過ぎた、ごめん」と言った。
「こっちもやし・・・」と息子は言った。

観音菩薩様に会ったからか、息子と和解したからか、息子が無事に帰ってきたからか。
気持ちが穏やかになった気がする。

「弱った時は頼っていいんだよ」
それは人でも物でも菩薩様でも。

また会いに行こう。